心臓の病気 皆さんは循環器病、とりわけ心臓病と聞くとまずどんなことを思い浮かべるでしょうか?大多数の方は「命にかかわる重大な病気」と答えられると思います。 現在では治療技術の進歩により、心臓病になっても多くの方が治癒して普通の生活に戻っていますが、それによって命を落としている方もまだたくさんいらっしゃいます。 はじめに代表的な心臓病でどのような症状が出るかを説明しましょう。 不整脈 不整脈は読んで字の如く心臓が正しくない拍動をしていることです。 心臓は1分間に60〜70回収縮と拡張を繰り返して全身に血液を送り出しており、この収縮から拡張までの1サイクルを心拍といいます。この時心臓の洞結節(どうけっせつ)で発生した電流が心臓の定められた経路を通ることで脈拍のリズムを取っています。このリズムがおかしくなって心拍が正しいリズムを刻めない状態を不整脈といいます。 不整脈には大きく分けて三つの種類があります。 @期外収縮 瞬間的に脈が飛ぶ、脈が抜ける、瞬間的にドキッとするなどの症状が出ます。 A徐脈 脈が遅く、頭がボーっとする、目の前が暗くなる、失神するなどの症状が出ます。 B頻脈 脈が速くなり、どきどきが続く、頻脈の結果血圧が低下の場合は失神する、頻脈時短時間胸が痛くなるなどの症状が出ます。 狭心症 狭心症は、主に動脈硬化のために冠状動脈の血管が狭くなり、心臓への血液の流れが一時滞り、その結果、心臓へ栄養や酸素の供給が不足することによって起こります。 階段を上ったり、急いで歩いたり、重い荷物を持ったときなどに起こる労作性狭心症と、夜間、特に早朝、就寝中に発作の起こる安静時狭心症があります。 狭心症の発作は、心臓部にしめつけられるような感じの痛みが起こるのが普通で、強い圧迫感を覚えることもあります。しかしその痛みはたえられないほど激しい痛みではなく、その持続時間は、軽ければ数10秒、長くて15分を越えることはない。ただし、狭心症の発作が何度も起こる人は、心筋梗塞に移行する危険があるので注意することが大切です。 心筋症 心筋症とは、心室の筋肉壁の構造と機能が障害される進行性の病気です。 心筋症は大きく分けて>三つの種類があります。 @拡張型 心室が肥大したことにより起こる心筋症です。よくみられる最初の症状は、運動時の息切れと疲れやすさです。 A肥大型 心室の壁が厚くかたることにより起こる心筋症です。よくみられる症状は、失神、胸痛、息切れ、不整脈による不規則な心拍の自覚(動悸[どうき])などがあります。 B拘束型 心室の壁はかたくなりますが、必ずしも厚くなりません。発症例は少なく、症状は肥大型心筋症と同じです。 これらの病気は心不全に繋がる恐ろしいものです。何か自覚症状がある方はすぐに循環器科で診察を受けて下さい。 「忙しい」「そんな時間はない」「大丈夫だろう」などと考えて放っておくと、早期発見の時期を逃してしまい重大な結果を招くかもしれません。 心臓からのシグナルTOP 1.心臓の病気 2.循環器にかかわる検査 3.転ばぬ先の杖・健康診断 |